台風の右側の風が強いのはなぜ？

本当だよ。まずは台風に関係（かんけい）する２種類の風をみていこう。

台風には中心（台風の目）に向かって左回りに巻き込む（まきこむ）風と、台風全体を動かす風があるんだ。

進行方向の右側では、台風に巻き込む風と台風を動かす風が重なって、より強い風が吹（ふ）くよ。いっぽうで進行方向の左側は、巻き込む風と台風を動かす風が逆向き（ぎゃくむき）になって風が弱められるんだ。

この進行方向右側の風の強い半分を危険半円（きけんはんえん）、左側の風が比較的（ひかくてき）弱い半分を可航半円（かこうはんえん）というよ。

船に関係しているんだ。
もし船が危険半円の中に入っちゃったら、台風の巻き込む強い風でどんどん中心付近に吹き寄せ（ふきよせ）られて逃（に）げられなくなっちゃうよ。

いっぽうで可航半円の中だったら、風は弱めで追い風（おいかぜ）、そして台風も離（はな）れていくから、船は台風を抜け出し（ぬけだし）やすいんだ。船の航行（こうこう）が可能（かのう）なことから、可航半円といわれるんだね。
船が帆（ほ）で動く帆船（はんせん）の時代にできた言葉だといわれているよ。

ううん、それは違（ちが）うんだ。
可航半円といっても台風の風であることに変わりはないよ。危険半円とくらべて風が弱いというだけで、災害級（さいがいきゅう）の風が吹く範囲（はんい）だってことは覚えておいてね。決して安全なわけじゃないんだ。