虹が7色に見えるのはどうして?
虹が見える仕組(しく)みはちょっと複雑(ふくざつ)なんだ。
気象予報士でもわかりやすく説明するのは難(むずか)しいんだけれど、頑張(がんば)ってやってみよう。
まず光のキホンについて知っておこう。
太陽の白い光は7色の光に分解(ぶんかい)できるんだ。
プリズムというガラスに光を当てる実験(じっけん)をすると、よくわかるよ
7色は、紫(むらさき)、紺(こん)、青、緑、黄、橙(だいだい)、赤だよ。
太陽の白い光は7色の光がまざってできているんだね。
知らなかったゾゥ
空ではプリズムのかわりに空気中に浮(う)かんでいる水の粒(つぶ)によって太陽光が7色に分けられるんだ。それが虹になるんだ
水の粒の中をよく見てみよう。
水の粒に太陽の光が入ると、まずプリズムと同じように光が7色に分かれて、そして跳ね返(はねかえ)って、最後はバラバラの角度で外に出てくるんだ。
出てくる角度は色によって決まっていて、一番上が紫、そして紺、青、緑、黄、橙、赤の順だよ。
これらの光のうち、どれかひとつだけがちょうど目の中に入ってきて、色として認識(にんしき)されるんだ
ほかの色は見えないの?
ほかの色は別(べつ)の角度からやってくるんだ。
たとえば赤い光が目に届(とど)くのは上の方にある水の粒から、紫は下の方にある水の粒からだよ
それぞれの色は別々(べつべつ)の水の粒から目に届いている、ということを理解(りかい)しよう
この上から下への色の変化は何かと同じだよ。分かるかい?
えーと、えーと・・・
あっ、ひょっとしたら虹???
そう!そのとおり。
虹の色は必ず上から、赤、橙、黄、緑、青、紺、紫の順(じゅん)なんだ
虹が7色に見えるのは、
①空気中の水の粒の中で太陽の白い光が7色に分かれる
②それぞれの色は決まった角度で水の粒から飛(と)び出てくる
この2つが理由なんだ
なるほど分かったゾゥ。
でも、どうして虹は半円の形をしてるの?
分かりやすくするために、赤い光だけを例(れい)にとって説明(せつめい)しよう。
太陽を背にして、赤い光が正面(しょうめん)からやってくる場合を考えみるよ。水の粒はわざと大きく描(か)いているよ
太陽の光は上の図のように水の粒の1カ所だけに差し込む(さしこむ)のではなくて、あらゆるところに差し込んでいるよ。
例えば下の図のように水の粒の右の方にも差し込んでいる。すると赤い光はどこから出てくるかというと・・・
ななめから出てきた!
そうなんだ。
でもこの場合、ななめから出てきた赤い光はゾウさんの目には入らないよね。
そうだね。
左にずれちゃってるし
じゃあ、下の図のように少し右下にある水の粒からななめに出てきた赤い光はどうかな?
目に入ってくるゾゥ
そうだね。
では、ほかに赤い光が目に入ってくる水の粒がどこにあるか調(しら)べてみよう
半円だっ!
そういうこと。
赤い光が目に入ってくる水の粒をさがすと、じつは半円状(はんえんじょう)に並んでいることがわかる。ほかの色の光も同じだよ。虹が半円の形に見える理由はこういうことなんだ。
虹は雨上がりによく見えるよね
そうだね。
雨によって空気中に水の粒がいっぱい増えるから、雨上がりは虹が出やすいんだ
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