津波(つなみ)と高潮(たかしお)はどっちも水の被害(ひがい)だよね。なにがちがうの?
そもそも、でき方がちがうんだ。
津波は地震(じしん)によって引き起こされて、高潮は台風や低気圧によって発生するよ。
へぇ、そうなんだ。
どっちも危険なんでしょ?
そうだね。
まずは津波について話をしよう。
海底(かいてい)には岩でできた板(いた)のようなものがあって、少しずつ下に動いているんだ。この板をプレートというよ。じつはプレートはぼくらの家や学校が立っている地面をゆっくり地下に引きずりこんでいるんだ。ほんのわずかな動きだから、ふだんは気づかないけどね。
でもたまに、引きずられた地面がとつぜん大きくはね返ってもとにもどろうとすることがあるんだ。その時、地面が大きくゆれて地震がおきるんだよ。
地面がはね返って持ち上がると、その上にある海水もいきおいよく持ち上がるよ。
その持ち上がった海水がそのまま陸地(りくち)にやってくるのが津波なんだ。
最初は波がやってくるように見えるけど、海水ぜんたいが持ち上がったまま陸地に来るから、波が一回だけくるのと違(ちが)って、海水がどどどーって押しよせてきて、とても危険(きけん)なんだ。
でっかい水のかたまりがやってくる感じかなぁ
まさにそのとおり。
いっぽうで高潮の原因(げんいん)は台風や低気圧なんだ。
台風と低気圧はまわりから空気を吸(す)い寄(よ)せる性質(せいしつ)があるよ。だから海の上にやってきたときは、空気といっしょに海面も少し上に吸い上げられるんだ。
さらに強い風で、海面の水は風が吹く方向に吹き寄せられるよ。
この「吸い上げ」と「吹き寄せ」の2つの効果(こうか)で海面がいつもより高くなる。これが高潮だよ。
高潮になると波が防波堤(ぼうはてい)や港(みなと)をこえて僕らの家や道路まで押し寄せて、浸水被害(しんすいひがい)を引き起こすんだ。津波と同じように人の命をうばうこともある危険な現象なんだ。
海に近づいちゃだめだね
そうだね。
大きな地震があったら津波が来るかもしれないから海から離れたところにすぐに移動(いどう)しよう。また、台風や低気圧の接近(せっきん)を天気予報で聞いたら、高潮のおそれがあるから、決して海に遊びに行ったりしないようにしようね。
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