【最新情報】ラニーニャ現象発生の可能性高まる

・1年前から続いているエルニーニョ現象が終息に向かう
・その後、秋にかけラニーニャ現象が発生する可能性が高まる(60%)

気象庁大気海洋部の発表(2024年5月10日)によると、去年の春から続いているエルニーニョ現象はこの春、終息に向かい平常の状態に戻る予想(90%の確率)。
その後、秋にかけて平常の状態が続く可能性もあるが(確率40%)、ラニーニャ現象が発生する可能性の方が高い(確率60%)

下のグラフはエルニーニョ現象のこれまでの経過と予測を示したもので、赤い折れ線はエルニーニョ監視海域における去年4月から今年2月までの実況である。それに続く黄色い四角で示された棒グラフは今年9月までの予測範囲だ。

グラフの上半分の赤いエリアはエルニーニョ監視海域の海水温が平年より高い状況(エルニーニョ現象)を示し、グラフ下の青いエリアは逆に平年より低い状況(ラニーニャ現象)を示している。

このグラフによると、去年4月から今年2月ごろまでは赤い折れ線は赤いエリアにあって、監視海域の海水温は平年より高い状況(エルニーニョ現象)だったことがわかる。だが、今年に入ってからグラフは下降傾向となり、3月から4月にかけても実況値はマイナスだったとの発表があった(このグラフは5カ月移動平均を示しているので3月と4月の実況値は示されない)。

黄色で示された予測値を見ると4月と5月はほぼ白いエリア内に予想されており、エルニーニョ現象は終息に向かう見通しであることがわかる。その後は予測値に変動はあるものの、海水温の低い状況(ラニーニャ現象)に向かう傾向が示されている。

下の表は、エルニーニョ現象とラニーニャ現象の発生確率を示したものである。

今年3月から7月の間に予想されるエルニーニョ現象の発生確率(赤い表示)は10%で前期間の90%から急速に小さくなる。代わって平常時に戻る確率(黄色の表示)は90%に上昇し、この傾向はほぼ確実だろう。その後は次第にラニーニャ現象発生の可能性(青い表示)が高まり、今年7月から11月にかけては60%まで上昇している。

以下、地図上の赤色で示した赤道域における南米沖のエリアがエルニーニョ監視海域である。

ラニーニャ現象発生時の日本の気候への影響はこちら(画像をクリック)。

エルニーニョ現象・ラニーニャ現象について

エルニーニョ現象は、赤道域の日付変更線付近から南米ペルー沿岸周辺にかけて海面水温が平年より高くなる現象で、その状態が1年ほど続く。
逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く状態はラニーニャ現象と呼ばれ、それぞれ数年おきに発生することが分かっている。エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、日本を含め世界中の異常気象の原因となり、その発生と終息が注目されている。

以下は1949年以降のエルニーニョ現象とラニーニャ現象の発生期間を季節単位でまとめたもの。最近では2020年夏から今年2月まで2回連続でラニーニャ現象が発生していた

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