表層崩壊と深層崩壊

表層崩壊(ひょうそうほうかい)と深層崩壊(しんそうほうかい)は、どちらも山の斜面が崩れる「がけ崩れ」の一種ですが、崩れる深さや規模が大きく異なります。

表層崩壊は、地表に近い浅い部分(深さ1〜2メートル程度)の土が、大雨などで水を含んでゆるみ、滑り落ちる現象です。雨が急に降ったときなどに起こりやすく、小規模ですが、住宅のすぐ裏の斜面などで発生すると、人や建物に被害を与えることがあります。日本では毎年多くの表層崩壊が発生しており、日常的に注意が必要な災害です。

一方、深層崩壊は、もっと深い場所、数メートルから十数メートル以上の地中の地層ごと大きく崩れ落ちる現象です。山の一部が丸ごと崩れたり、大量の土砂が一気に流れ出したりするため、被害の規模が非常に大きくなる傾向があります。発生頻度は少ないですが、一度起きると集落全体が埋まるような甚大な被害をもたらすことがあります。

どちらも大雨が引き金になることが多く、天気予報やハザードマップ、防災無線などの情報をもとに早めの避難が大切です。地面のひび割れや斜面からの湧き水などは、崩壊の前ぶれになることがあるので、注意深く観察することが命を守る行動につながります。

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