台風が合体することってあるの?
ロボットアニメみたいに合体してさらに強くなることはないよ。
かわりに2つの台風が近づくと、おたがいに影響(えいきょう)して変(へん)な動きをすることがあるんだ。
2009年10月に発生した台風17号と18号の進路(しんろ)をみてみよう。
日本の南の海上で2つの台風が近づいた時、台風17号がフィリピンの北で、とても複雑(ふくざつ)な変化(へんか)をしたんだ。動きが止まったり、勢力(せいりょく)が弱くなったり強くなったり、南や西に動いたりってね。
これじゃ予想するのもむずかしそうだね
そうなんだ。
2つの台風が近づく時はスーパーコンピュータでも進路の予想はむずかしいよ。
でも近づく2つの台風の動きにはいくつかパターンがあることが知られているんだ。台風17号と18号の動きには、4つのパターンがみられたよ。
ええっ!4つも?
全部で6つのパターンが知られているよ。
台風17号と18号でみられた4つのパターンを時間を追ってみていこう。
はじめに現(あらわ)れたのは、片方(かたほう)の台風が動かないでもう片方を待っているパターン。
続いては、片方の台風の勢力(せいりょく)が弱まるパターン。
そして次は、「まわりの風と台風の風」の両方(りょうほう)に、台風が流されるパターン。
最後は、片方が北東に進みもう片方が西に進んで、お互いに離れていくパターン。
4つのパターンをまとめると、
①片方の台風が近づくのを待っている
②片方の台風の勢力が弱まる
③片方の台風の風に流されてもう片方が動く
④2つの台風が違う方向に進む
そして、あと2つあるんだね。
そう。
あと2つのパターンは、
⑤片方の台風のあとをもう片方が追いかけていく
⑥2つの台風が並んで同じ方向に進む
というのがあるんだ。
いっぱいあって覚(おぼ)えられないゾゥ
覚えるのは確かにむずかしいね。
ところでこの6つのパターンは名前がついていて、藤原の効果(ふじわらのこうか)っていうんだ。
藤原さんっていう人がみつけたの?
台風は大きな雲の渦巻き(うずまき)だよね。川の流れの中にも渦を巻いているところがある。藤原さんは、渦どうしが近づくと「おたがいに影響をおよぼして複雑(ふくざつ)な動きをする」ことを研究した人なんだ。
名前は藤原咲平(ふじわらさくへい)。明治時代(めいじじだい)に生まれた気象学者(きしょうがくしゃ)だよ。お天気博士(はかせ)としても知られていたんだ。
明治時代って今から100年以上も前だよね。
そんな昔に、今でも通用(つうよう)することを研究していたなんてすごいなぁ。
コメント