台風が変(へん)な動きをして、迷走(めいそう)することがあるのはどうして?
まずは台風が動く仕組み(しくみ)から話そう。
台風は自分自身で動く力はほとんどないんだ。
基本的(きほんてき)には風に流されて動くんだよ
風ってどんな風?
主に3種類あるよ。
赤道付近を吹(ふ)く貿易風(ぼうえきふう)、太平洋高気圧の縁(へり)を吹く風、そして日本付近の上空を吹く偏西風(へんせいふう)。
なんか聞いたことがあるゾゥ
この機会(きかい)にちゃんと覚(おぼ)えておこう。
台風が南の赤道付近で生まれると、まずは貿易風に流されて西に進むよ。
それから太平洋高気圧の縁(へり)を吹く風に流されて北上するんだ。
日本付近にやってくると偏西風に流されて東の方へと進んでいくよ。
ふーん、風に流されて日本に近づいてくるんだね
台風が迷走するのは、こうした風の影響(えいきょう)を受(う)けない場合なんだ。
2つのパターンがあるよ。
ひとつは、3種類の風が届(とど)かない所に台風がある場合。
風に流されないから、動きがとてもゆっくりでふらふらしたり、1回転して進んだりするんだ。
そしてもうひとつは、西に張り出した太平洋高気圧の中に入ってしまった場合。高気圧の中は風が弱いから、動きがゆっくりで迷走しやすくなるよ。
風がカギになるんだね
そして、さらに3つめのパターン。
それが寒冷渦(かんれいうず)の影響(えいきょう)だ
寒冷渦(かんれいうず)ってはじめて聞いたゾゥ
寒冷渦は、たまに上空に現(あらわ)れる冷たい空気のかたまりで、時計と逆回りに風が吹いているんだ。この寒冷渦の影響で、台風が変則的(へんそくてき)に動いて、通常(つうじょう)とは違(ちが)う方向に進む場合があるよ。
例として2018年の台風12号を振り返ってみよう。
ひゃー、ぐるぐる回ってる!
この時はまず、南から北上してきた台風が寒冷渦の影響で大きく回転するように西日本に向かって動いたんだ。その後、九州の南で再び同じ寒冷渦の影響を受けて、1回転して東シナ海に進んで行ったよ。
寒冷渦もゆっくり動いていたんだね
ちなみにテレビや新聞では、このように変則的な動きをする台風を「迷走台風」と言うけれど、気象庁の中では「複雑(ふくざつ)な動きをする台風」と言うようにしているんだ。
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