気象庁 台風の発生数予想を2030年にスタート

気象庁はことし3月、発生数の予報などを含む、台風に関する新しい情報を2030年をめどに提供すると発表しました。
現在、気象庁では、台風になると予想される熱帯低気圧や台風について、実況や予想進路などの詳細を発表していますが、台風の発生数の予報は行なっていません。

去年6月、気象庁は変化する社会のニーズに合った台風情報のあり方について、有識者による「台風情報の高度化に関する検討会」をスタートさせ、関係機関のヒアリングで出た意見などを参考に、議論を重ねてきました。

ことし3月の中間報告で示された内容は、台風シーズンが始まる半年〜1カ月前に台風の発生数の見通しを発表したり、台風発生の可能性が高い領域を2週間前から示したりするというもので、気象庁は2030年をめどに技術開発を進めるとしています。
発生数については、平年と比較して「少ない」「平年並み」「多い」の3種類をパーセントで表現するほか、台風発生の可能性が高い領域は地図上に色を塗って表示します。


さらに、現在発表している台風情報について、よりこまかい時間単位で予報を作成、また予報期間を延長するなどの改善案もあわせて示されました。

気象庁は、これらの情報を利用する上での留意事項や、公共交通機関など様々な利用者に向けた普及と啓発の具体策についても議論を進め、最終的な取りまとめを行う予定です。

発生数の予報に関しては、アメリカではすでに1998年(平成10年)から熱帯低気圧とハリケーンの発生数の予報が行われています。NOAA(アメリカ海洋大気局)は、気候変動や海洋の状態、過去のデータをもとに、シーズン中のハリケーンの発生数を「平年以下」「平年並み」「平年より多い」の3つに分類して、それぞれパーセントで発表していて、通常5月下旬に予報を発表し、8月に最新の見解に更新します。

ことしのハリケーンの予報はすでに発表されていて、大西洋では例年よりハリケーンの活動がやや活発で、シーズン中の発生数は6〜10個。一方、ハワイを含む中部太平洋では例年より活動が鈍く熱帯低気圧の発生が1〜4個となっています。一般的に、大西洋のハリケーン活動が活発な年は、中部太平洋の活動は鈍くなる傾向があります。

6月7日現在、ことしの台風はまだひとつも発生していませんが、この夏、台風の発生域となるフィリピンの東海上の海水温は高い予想となっていて、民間の気象会社では今後、台風が相次いで発生する可能性に言及しているところがあります。


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